
『個人戦?予選 第2戦』

実況「個人戦予選、第2戦の選手が入場しました。
ここで各選手の能力を確認しておきましょう」
宮永咲 :リンシャン牌で和了確定、リンシャン牌を場の牌と交換できる
片岡優希 :東場で最大4順の有利、南場で最大4順の不利
文堂星夏 :4位の時、相手リーチの待ちがわかる
加治木ゆみ:テンパイ時、相手カンでチャンカン確定。
半荘中4回まで、他家和了時、
差し込み条件が成立なら和了をキャンセルできる。

実況「なおこの対戦では、宮永咲選手を中心に実況・解説を進めてまいります。
さて藤田プロ、この対戦の見所はどのあたりでしょう」
藤田「宮永咲のリンシャン…といいたいところだが、ここでは勝手が違う。
加治木はテンパイをしていれば、他家のあらゆるカンから
チャンカンを成立させることができる。宮永にとっては天敵だ」
実況「宮永選手のカンは、完全に封じられてしまったということですか」
藤田「早い順目、加治木にテンパイ気配が無いうちは可能だが、苦しいな」
実況「ありがとうございました。
それではまもなく、予選第2戦の対局開始です!」
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東家:文堂(Y)南家:片岡(与)
西家:宮永(T)北家:加治木(M)
『東一局』親:文堂

実況「さあ、始まりました。各選手、どのような動きを見せるのでしょうか」

咲「ポン!」
(加治木さんにはカンが通用しない。
それなら加治木さんより早くテンパイして…)

実況「宮永選手、積極的に鳴いていきます」
藤田「手元にトイツがあれば、鳴いて4枚目のカン材が来るのを待つ。
4枚目がワンパイにさえ無ければ、自分が手にする確率は25%。
リンシャン能力を最大限に活かすには、この戦い方がベストだろう」

加治木「ポン」

実況「加治木選手、こちらも早い仕掛けで染め手気配」
藤田「宮永への牽制だな」

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実況「全員ノーテンで流局。静かな立ち上がりとなました」

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『東二局流れ1本場』親:片岡 ドラ北

咲(カンがダメなら、メンゼンで手を進めていこう)

咲「リーチです」



咲「ロン」

咲「メンピン一発、3900は4200です」

実況「宮永選手、ここはピンフ手で和了」
藤田「そりゃ、年中カンばかりしているわけでもないだろう」

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『東三局』親:宮永 ドラ6ソウ

優希「リーチ!」

文堂「リーチ」

加治木「リーチ」

文堂「それです、ロン!リーチドラドラ、ウラは……」

加治木「待った。差し込みを宣言する」

実況「おおっと加治木選手、ここで事後差し込みを発動!」
藤田「ロンをした文堂の手は、この時点で5200。ウラが乗れば満貫まである。
リーチをかけた片岡、宮永の手をオープンさせ、より安い手に
差し込めれば、ダメージを軽減することが出来る」
実況「宮永選手はノーテン、リーチをかけた片岡選手の手は…ノミ手のリーチ!」
藤田「決まりだな」
実況「加治木選手、片岡選手への差し込みを宣言しました!
これにより、文堂選手の和了はキャンセルされ、
片岡選手の和了となります!」

実況「片岡選手、ウラドラをめくります。リーチのみ、1300点の手ですが……」

片岡「リーチ、ウラ3!満貫だじぇ!」
*衝撃的だったので写真撮影を忘れてしまいました

加治木「くっ…」

実況「片岡選手、ウラドラを3つ乗せての満貫です!加治木選手、これは痛い!」
藤田「リーチに差し込むということは、こういったリスクも有り得る。
しかしこの状況では、差し込む以外に選択肢はなかったな」
実況「片岡選手、なんとも幸運なアガリでトップに踊り出ました」


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『東四局』親:加治木 ドラ1ソウ

加治木「リーチ」

文堂「リーチです」

優希「おっかけリーチ!」

実況「加治木選手のリーチを、文堂選手と片岡選手が追いかける形!
宮永選手は現物を切って行きます」
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優希「ツモ!」

優希「メンピンツモウラ1、1300・2600だじぇ!」

実況「ここも片岡選手、連続のアガリで2位以下を突き放します!」

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『南一局』親:文堂
実況「南一局は流局、宮永選手と加治木選手がテンパイです」

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『南二局流れ1本場』親:片岡
実況「文堂選手のリーチ実らず、ここも流局です」

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『南二局2本場・リーチ供託1本』親:片岡

文堂「リーチ」

実況「文堂選手が先制リーチ、一方の加治木選手もマンズ染めの満貫手!」
藤田「勝負どころか」
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文堂「ロン!リーチ赤赤、6400は7000!」


実況「加治木選手の放銃!文堂選手が2位に浮上しました!」

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『南三局』親:宮永


実況「先ほどから動きのない宮永選手、この親番で得点を稼ぎたいところ」
藤田「リンシャンを意識してのポンを二つ。しかし加治木も追いかけてきたな」
実況「これに対して宮永選手、トイツを崩し待ちをリャンメンに切り替えました」

咲「ロン」

咲「タンヤオのみ。1500点です」

実況「放銃は片岡選手。宮永選手、ここは軽い手で連荘を確保しました」
藤田「トップから直取りの1500点は決して安くない」

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『南三局1本場』親:宮永

実況「トップを行く片岡選手、南三局では三順の不利。
開始からの3牌を伏せたままツモ切りです」
藤田「ま、その分東場でいい思いをしているからな」

優希「リーチ!」

実況「なんと片岡選手、6順目でリーチです」
藤田「実質3順目のリーチだな」

咲(ここは勝負…)

咲「リーチ」
実況「宮永選手、次順に追いかけリーチ!
満貫確定、良形のリャンメン待ちになりますが……」

優希「そいつは通らないじぇ!!!」

優希「ロン!リーチ、ウラドラ1、2600は2900点だじぇ!」

実況「ここは片岡選手、早いリーチで宮永選手の親番を一蹴!
南場を苦手とする片岡選手ですが、
ここは勝利に近づく大きなアガリを手にしました!」

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『南四局』親:加治木

実況「親の加治木選手、15順目でリーチをかけましたが流局、一人テンパイです」

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『南四局1本場・リーチ供託1本』親:加治木

咲(優希ちゃんとの差は11900…満貫では追いつけない)
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咲「リーチです」

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咲「ツモ」

咲「メンピンツモ赤赤……」

実況「宮永選手、これでウラドラが乗れば、跳満で逆転トップとなります!」

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咲「…ウラはなし、2100・4100です」

実況「ウラドラは乗らず!対局終了です!」

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実況「個人戦予選第2戦、トップを取ったのは…」

実況「清澄高校1年、片岡優希選手です!」

実況「藤田プロ、今回の対戦について、いかがでしょう」
藤田「南3局で宮永咲の親リーチを片岡が潰した場面。
あそこが勝敗の分かれ目だったな。
加治木は宮永のリンシャンを意識してテンパイを急ぎ、自滅した感がある」
実況「惜しくも2位になりました宮永咲選手に対して、一言お願いします」
藤田「カンを封じられながらも、よく打ったんじゃないか」
実況「ありがとうございました。それではまた次戦で、お会いいたしましょう」
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【対局後記】
1位 与一氏(片岡)
「南場も不利を感じさせない配牌とツモでした。やっぱりタコスは偉大だじぇ!
(対局前に食べてました)」

2位 T氏(咲)
「M氏の加治木さんが、執拗にチャンカンを狙ってくるのがウザかったです。
今度やるときは、是非加治木さん抜きで」
3位 Y氏(文堂)
「このメンツ相手にキャプテンの力を借りずに済んでよかった。
おっとコーチが呼んでるので失礼しますね」
4位 M氏(加治木)
「差込能力が裏目にでた時点で駄目かなと思った。やっぱり駄目だった」