1931年の上海を舞台にしたなんと、超能力者アクションエージェントものでした。
ソラノヲトの合間で暗い質感の画面が目立っていたからもっと硬派なものを予想
していたのですが、いい意味で裏切られましたね。
キャラクターの台詞の端々に国民党という言葉や日本の思惑がみたいな
政治的なものに触れるくだりがあったので、1931年の上海という舞台を
絵だけではなく、時代背景も含めて物語に落とし込んでいくみたいです。ようやるわ。
上海っていうと半植民地な支配体制のせいで、亜細亜と西欧の文化が混入している
地域ってイメージがあるのですが、冒頭のカーチェイスのシーンで周りの建物や
モダンな車、路面電車を出すことによって、必要最低限の描写で物語の世界観を
見せていたのはうまい構成だと思いました。
あと、声優さんの北京語。これ本人がそのまま喋ってます。
ネイティブと比べるとさすがに硬い感じは否めないですが、ちゃんとしてたなぁ。
設定を考えると、話さざるを得ないと思いますが力入ってますね。
軍閥の人間に話しかけたときはさすがに発音と流暢さで気付くだろうと思いましたが
まあ、それは見張り役がボケていたということで。

能力者ものということで、視界を遮られなければどんな遠いところでも見渡せる
「千里眼」、テレパシーとサイコメトリー、他者と一緒も可能な有視界テレポート、
そして、時間制限付きですが反則能力気味な一方通行(アクセラレータ)。
絶対可憐なやつや、とある魔術の?を見た後だと、
どれもどこかで見たことのある能力ばかりですが、物語を面白くするのは
能力の強さではなく、要は使い方ですから。
特に一方通行は時間制限付きってことで何かと物語に影響を与えそうです。
とある魔術の?を見ていない人に説明しますと一方通行(アクセラレータ)は
モノのベクトルを変える能力。自分に向けっている弾丸を逸らしたり
爆弾の衝撃をこないようにしたり、人を吹っ飛ばしたり用途は様々。
普通に使えればちょお強い。

できたばかりのエージェント集団みたいなので、登場キャラクターと
同じ目線でこれからあるであろう、キャラクターの掘り下げが楽しめそうです。
今回のお互いが慣れていない荒削り感は中々でした。
てっきり独りよがりな出来になると思ったら派手すぎず、地味すぎずで
よい1話になってたと思います。
面白さが素直に分かる、今後も期待できるアニメになっていた。
ヒロイン子が棒気味だったんですが、まあ許容範囲内。
願わくば、今度こそ「アニメノチカラ」を見せてほしいのものです