卒業式をやろうってことで、体育館に集まった面々。既に他のものたちは
「いって」しまわれたようで、その相変わらずのざっくりとした処理方法には
舌を巻く思いです。良いキャラいっぱいだったのにね。
そして、ユリッペまさかの覚醒。リーダーの重圧から解放されたためか、
過去との決別ができたからなのか、まるで別人のような振る舞いに
テコ入れ感が拭えなかった。
まあ一応メインビジュアルだし、しゃあないのか。
青春ものなのに恋愛沙汰が一切ないという大きすぎるビハインドを
取り戻すのには遅すぎた感が否めませんが。
あとはカナデさんの麻婆豆腐賛歌でしょうか。仮にも卒業式で歌う校歌なのに
この適当ぶりは酷い(笑 これが彼女の素の性格なんでしょうね。
普通はダメ出しされそうなものですが、音無さんだけは無条件に褒め称えていた。
この時点で彼の中にはある思いが固まっていたのでしょう。
じゃないとさすがにこれを認める流れにはならないっての。
次々と消えていくナオエ、ユリッペ、ヒナタ。一様に達成感をもって「いって」
しまわれたようです。チープさはあるものの、まあここまでは感動的な流れですよね。
セカンドフライ取らなくても大丈夫なのかと心配しましたが、
突っ込むのはさすがに野暮ってもんかしら。

問題はこの後。カナデさんと二人っきりになった音無さんまさかの暴露。
「この世界で一緒に残ろう、おまえが好きだ」
ヒュー。邪魔なお仲間を全員退場させた後にこんな台詞を言うなんて、
このアニメを見てきて彼の言葉に一番痺れた瞬間です。
あんだけご高説をもって仲間を送り出してきたのに、いざというときは小物になるとは。
真面目にこの作品を見てきたつもりですが、さすがにひっくり返らざるを得ない、
音無そりゃねーよ(笑
これまでの振る舞いとは一変した彼に慈愛の目をもって応えるカナデさんの
冷静な目が実に心に刺さりました。
これは恋愛感情をもっている子のする目じゃないわ。
おまえの心臓は私がもらいうけたのだ!と衝撃の告白をされましたが
移植しても結局は青春時代を満足に過ごせず死んじゃってここにいるんだよね?
そう考えると俺の命がどこかで役に立っているという
いつかの話の台詞も台無しになる気がする。
しかも告白失敗でヒロイン消失ってギャルゲーでは完璧にバッドエンド。
感動的な最終回だったはずなのに、素直に浸らせてくれなかった音無の罪は重いです。
ラストシーンはさもありなん。手をかけた後に発するであろう
「俺たち会ったことありましたっけ?」
という古典的なナンパ方法が通じるかは皆さんご想像にお任せしますってことですね。

前評判や宣伝の多さからやたらと反響が大きかったこの作品。
OPと背景の作りはスゴいですし、コメディ部の面白さは認めますが、
お話の出来は雑としか言えない作りでした。
もっとキャラクターたちの台詞に説得力があればよかったのですがね。
どんなに感動的な物言いもそれに見合う魅力がないキャラクターに言わせたところで
怪しい宗教家が喚いているだけにしか見えない。心に入ってこないです。
まあ、凡作。ランクはBでお願いします。
カナデさんは可愛かったですけどね。
ランクの説明は
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