
エンディングロールが流れ始めた時、最初に思ったことは。
「どうしよう」
でした。確かに毎回面白く見させてもらっていたのですが
なにぶん、各キャラクターの心情や、行動理念についての難解さが
近年稀に見るものでしたし、最終的な帰結がトーヤのトラウマに端を発していた
ことっていう相変わらずの突飛な展開だったので。
それより何よりも、各女神たちのトーヤへの無限の愛情っぷりったらないですわ。
あんなに相手がいたら、一人くらい激情に駆られて暴走してもおかしくない
たらしぶりなのに、守ってあげたくなるオーラというやつでしょうか。
そんなフェロモンに寄せられてきた女性達だらけだったのが
刃傷沙汰にならなかった要因だったのかなぁ。
最後トーヤが笑顔で終われたのは女神たちの寛容な心のおかげであることを
彼は一生忘れてはならないと思います。

そんなんで、原作とは全く違う展開でもはや同じキャラクターを使った
別モノになってしまったアニメ版ホワイトアルバムですが、
皆さんにはどう思われたでしょうか。
お世辞にも綺麗な作画でも、エンターテイメント性が高いわけでも
誰しもが共感を得られるお話でもなかったことは
終わってみてしみじみと私も感じているのですが、このご時勢に
あえて万人受けしそうにないテーマを描ききったその野心だけは評価したいです。
事実、要所要所でハッとさせられる言葉遣いや演出がありましたし。
なんだかんだでデュエット版「POWDERSNOW」にも感動しましたしね。
あんなの流されたら納得せざるを得ないわぁ。歌の力って凄い。

不甲斐ない一人の男と、慈愛に満ちた女神たちの物語。
ただ、人にはお勧めできそうにないこの問題作をAにはしたくありません。
かといってBとかの普通な場所に位置づけるのも、もったいない作品であると思います。
なので、作品の特殊性を鑑みてDランクとしたいと思います。
収まりはよい最終回ではありましたが、それまでの各登場人物たちの思惑を
解くには一回みるだけでは到底無理ですね。
結局一番幸せになったのは観月一家かもしれません。
あとはマナちゃんとメノウがトーヤ君に未練がなければ万々歳なのですが。
悪いことは言わないからあの男だけはヤメテオケ!